スペンサー・シリーズ

私立探偵物、スペンサー・シリーズ。
著者はロバート・B・パーカー、ハヤカワ・ミステリ文庫。
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昔々、当時高校の同級生だったI君が、誕生日プレゼントにと贈ってくれたシリーズ5作目の「ユダの山羊」が、このシリーズとの出会いだった。
今、調べてみると文庫の初版が87年9月ということなので、おそらく88年1月、高校3年生の時に貰ったんだろう。
別にミステリが大好きという訳でも無い自分に(今でもそうだ)なんでこの本を贈ってくれたのか、詳しく聞きもしなかったけど、当時I君がオレを呼ぶアダ名は「ユデちゃん」だったので、その辺の連想からタイトルで選んだのかも知れない。

寡黙・地道といった私立探偵のイメージとは全く違い、いつでも軽口を叩き、敵どころか時には依頼人をもイライラさせ(本人はウィットに富んだ会話のつもりである)、それでいてタフ、地元のボストン・レッドソックスとビールとスコッチと美味い食事、そして「俺の夢の女性だ」などとノロケる恋人スーザンをこよなく愛する主人公スペンサーと、屈強でスタイリッシュな黒人の相棒、ホークのコンビが繰り広げるアクションの数々は実に爽快だった。

カヴァーの折り返しに既刊のタイトルが幾つか載っていて、そのうち読んでみるか、と思っていたはずなんだけど、気が付けばすっかり忘れて二十数年経っていた。びっくり。
去年、友人のかっちんがこのシリーズの一冊を読んだというのを聞いてそうだそうだと思い出し、古本屋を巡って少しずつ買い揃え、ついに全巻が本棚に並ぶことになった。

シリーズ第1作、「ゴッドウルフの行方」がアメリカで刊行されたのが1973年。
最終刊の「春嵐」は2011年、39作目の本作を持ってシリーズは終了。
完結したわけではなくて、2010年に作者が鬼籍に入ってしまったからである。

もう新しいストーリーが読めないのは残念だけど、またスペンサーの減らず口が聞きたくなったら、一冊取り出してページを繰ろう。
by hybrid-jp | 2013-12-18 12:49 | 平穏な日々 | Comments(0)

いつかどこかで考えたこと。


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